他人にちょっと批判されたり非難めいたことを言われた時、
会話しているときに自分の意見に反対された時、
周りがびっくりするほど怒り出す人がいます。
この怒りの背後にあるのは劣等感です。
幼い頃に、親からほめられるより叱られることが多く、
充分にありのままを認めてもらえなかった場合、
自己尊重感が充分育たず、自分に自信をもつことが
難しくなります。
自分の価値を自分が感じられないために、
他人からの評価をいつも気にしています。
それで、自分を批判・非難する人には過敏に反応し、
怒りを爆発させます。
忠告されたり反対の意見を言われることさえがまんできないのです。
一種の防衛反応ですね。
特に、男性は本来プライドが高いので、親から認められなかった
副作用はより大きくなります。
また、親の期待が大きい分だけ、その期待に応えられなかった
トラウマも深くなります。
そういう劣等感や罪悪感の裏返しで、イライラしたりピリピリした
雰囲気をつくり、それが他人の言葉やできごとに反応すると
スイッチが入ったように怒りが爆発する。
怒っている状態がそういう環境を引き寄せているのです。
いくら怒らないでおこうと思ってもそういう環境になると
無意識のレベルで反応してしまうため、怒りを抑えられないのです。
その後、本人も「またやってしまった」という自己嫌悪で落ち込み、
周りの人もまた、いつ爆発するかも知れないので、近付くのを
避けるようになります。
家庭をもっている場合は、夫婦の不和につながり、子供もいつも
ピリピリした雰囲気のなかでのびのびとできません。
本人も生きづらく、家族も疲労困憊してしまいます。
この悪循環を断ち切るには、
根本に帰って親子問題を見つめ直す必要があります。
親への恨みや不信感を取り除き、自分を信じ、愛せるように
癒していくことが大切です。
自分は価値ある存在だと潜在意識のレベルで認められるようになれば、
劣等感や罪悪感から開放され、怒りの感情も消えていくはずです。