カウンセリングを受けて、自分の本当の気持ちに気づいたり、
夫のことが理解できるようになったりして、夫婦の関係が
改善に向かっていたのが、カウンセリングが終わってしばらくすると、
何かの拍子にまたぐっと関係が悪くなって落ち込むことがよくあります。
カウンセリングで自分と向き合い、新しい生き方を選択し、
正しい行動を取って、夫婦関係が修復に向かったものの、
数十年も身につけていた思い込みやルールを手放して
新しい生き方に変わるのは、そんなに簡単ではありません。
カウンセリング中は定期的にカウンセラーとお話することで
気持ちが引き上がり、正しい軸に持っていけるのですが、
カウンセリングを修了して一人立ちするようになって
しばらくすると、昔の心の習慣がむくっと出てきたりするのです。
こういうとき、考えて欲しいのが「時間の使い方」。
私たちはどうしても習慣の動物なので、
意識していないとどうしても旧態依然の思考や感情に流されがちです。
ですから、1日のあいだに新しい生き方、軸にあわせて
自分を「調整」する時間をしっかり取って欲しいのです。
成功哲学で有名なスティーブン・コヴィー博士の
「7つの習慣」という本がありますが、その中の3つ目の習慣に、
「最優先事項を優先する」というのがあります。
その中で博士は、時間の使い方を
重要度と緊急度の2つの軸で考えています。
時間の使い方は4つの領域に分かれます。
第Ⅰ領域・・緊急かつ重要なこと
第Ⅱ領域・・緊急ではないが重要なこと
第Ⅲ領域・・重要ではないが緊急なこと
第Ⅳ領域・・緊急でも重要でもないこと
| 緊 急 | 緊急でない | |
|
重
要
|
Ⅰ．締め切りが迫った仕事
切羽詰った問題 危機や災害 病気や事故 クレーム処理 |
Ⅱ．豊かな人間関係の構築
人生の準備・計画 自分啓発・自己向上 家族との時間 健康管理・運動 |
| 重
要 で な い |
Ⅲ．突然の来訪
多くの電話 急な飲み会の誘い 無意味なイベント
|
Ⅳ．暇つぶし
無意味なテレビ 目的のないネットサーフィン だらだらおしゃべり
|
多くの人は第Ⅰ領域、つまり「緊急で重要なこと」から先にやるでしょう。
意識的にやろうと思わなくても切羽詰っているためやることになります。
緊急なことは向こうからやってきます。
でも、成功する人は第Ⅱ領域、つまり
「緊急ではないが重要なこと」に多くの時間を使います。
豊かな人間関係の構築
人生の準備・計画
自分啓発・自己向上
家族との時間
健康管理・運動・・
これらは目の前の問題ではなく、未来に向けて
行動する部分で、これらに多くの時間を使うことで
チャンスは増やし、ピンチは減らすことができます。
未来に起こりえる問題を予防することもできます。
ところが、これらのことは人生にとても大切であることが
分かっていながらも、切羽詰ったことではないし、
1日や2日しなかったからといってすぐに困ることではないため、
目の前のやるべきことに振り回されて、どうしても
後回しにしたりおろそかになりがちです。
しかし、豊かな人生、幸せな未来のためには、
この「緊急ではないが重要なこと」を優先し、
それをするための時間を意識的に取る必要があります。
朝起きたばかりのときに瞑想する、
自分を成長させるために有益な本を読んだり音声を聴く、動画を観る。
夜寝る前には感謝日記をつける、
夫婦や家族間の心のふれあいの時間を取る、
毎日適度な運動をする、
夢やこうなったらいいと思う未来像をノートに書く、
いい気分でいるための自分へのおもてなしをする・・
ささいなことのようですが、
こういうことを数日意識の外に追いやって
目の前の緊急なことに振り回されていると、
知らぬ間に自分の心の軸がブレブレになって
夫に不必要な不満をぶつけてしまったり
相手の何気ない一言が深く心に刺さって
ケンカになったりするものです。
脳は放っておくとどうしてもネガティブになりがち。
幸せは宇宙の法則に沿った生き方をするときに
創られていくものです。
バイオリンやチェロなど、弦楽器を演奏する前には
必ずチューニングをします。
私たちの心も、いつも宇宙の法則とピッタリ合うように
チューニングする必要があります。
第Ⅱ領域の活動は、まさにこの宇宙の法則に
自分の心をチューニングする時間なのです。
なので、緊急ではないが重要なことをする時間を、
1日のなかで最優先すべきなのです。
些細なことのようですが、毎日の習慣は恐ろしいものです。
毎日の積み重ねによって幸せな未来が創られていくのですから・・
毎日の時間をどの領域にどれだけ使っているか、
一度見直してみてくださいね。
そして、あなたの人生にとって大切な行動を
優先的に選択して、幸せな未来を創っていきましょう。
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