あなたって○○な人ね。」という言葉、誰でも

言ったり言われたりしたことがあると思います。

 

人は、自分の物差しで相手にラベルを貼りたくなります。

相手にラベル(レッテル)を貼ることをラベリングといいます。

 

相手に一度ラベリングしてしまうと、潜在意識はそれが正しいことを

証明するような情報ばかりを相手から受け取ってしまい、

別の見方ができなくなります。

 

その結果、本当にそのラベルが強化されて、相手が

ラベル通りの人物になっていくのです。

 

アメリカの社会学者であるハワード・ベッカーは、

逸脱者とは、本人の内的な属性ではなく、周囲からの

ラベリングによって生み出される」と言いました。

 

ちょっと魔が差して万引きをした少年に

不良」と周りの人がレベルを貼ってしまうと、その少年は

最初はそのレベルを剥そうとしますがうまくいかず、そのイメージが

どんどん強化されて本当に不良少年になってしまいます。

 

夫婦間でも、こういうことがあります。

たまたまストレスがたまっているときに妻に責められる

などの悪材料が重なって、ついカッとなって手を上げてしまった。

 

そのときに妻や周囲が「DV夫だ!」とラベルを貼ってしまうと、

夫の他の面はすべてDVの影で見えなくなり、

そのラベル通りに本当にDVが日常化してしまったりします。

 

人はたくさんの面を併せ持つ存在ですから、

ある一つのラベルで決め付け、分類してしまうのはよくありません。

 

また、人はいつも揺れ動き、成長していくものなので、

ラベリングすることでその人のイメージが固定されてしまうのは危険です。

ラベリングしてしまうと、相手のありのままの姿を見失ってしまいます。

 

だったら肯定的なラベリングなら無条件いいのでしょうか?

 

例えば、「あなたは明るくて周りの人を元気付ける人ね」と言われて、

それまでは自分のことをネクラだと思っていた子供が

本当に明るい性格に変わっていくということがあります。

 

肯定的なラベリングで相手のセルフイメージが上がり、

自信を持てるようになる効果があります。

 

また、部屋をなかなか片付けようとしない子供に、

「もっとちゃんと部屋をきれいにしないさいよ」と叱る代わりに、

あなたはきれい好きね」と言ってあげるようにすると、

本当に部屋をきれいにするようになった、という話もあります。

 

しかし、反対に

あなたはママの自慢の息子よ」といつも言われている子供が、

母親を失望させないように優秀でいようとして

自分を縛ってしまうという危険もあります。

 

あなたは親の言うことをよく聞くいい子ね」と言われると

反抗したくてもできなくて葛藤することにもなります。

 

うちの夫はアスペルガーでしょうか?

主人は人格障害だと思うんです。」と

カウンセリングのときに言われる方がいます。

 

もちろん、カウンセラーは医師ではないので「診断」を下すことは

できませんし、安易にラベリングすることは避けるべきですから、

断定するようなことは言いません。

 

ただ、例外的に、

ラベリングすることがクライアントさまの心を

劇的にラクにしてくれることがあります。

 

例えば・・

夫婦の会話がうまくいかず話しかけても一言二言の返事しか

返ってこないと悩んでいる女性がいました。

 

一緒に家にいてもご主人は趣味に没頭して妻には

なかなか関心を示してくれず、愛されていないのではと感じていましたが、

カウンセリングで「夫は少しアスペルガー的な面があるようだ

ということが分かったことで、「会話がうまくいかないのは彼の特性で、

私が愛されてない訳ではなかったんだ」と救われた気持ちになれました。

 

それで今後の目標を「なんとか夫と会話ができるようになること」から、

「この状況で自分が幸せを感じるように工夫すること」へと

方向転換できるようになりました。

 

また、

とっかえひっかえ浮気するご主人が憎くてたまらなかった女性が、

彼は「浮気依存症という心の病気かも」と理解できたら、

ご主人の悲しい生い立ちを思いやれるようになり、

時間をかけて修復したという例もあります。

 

こういう場合はあえてラベリングすることが、

幸せな未来を築く助けになることがあります。

 

ラベリングすることでどんな影響が出るかということを

よく考えた上で、相手の幸せが期待できる場合には

適切に使うのがいいようです。

 

 

 

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