親とのふれあいで作られる心の安全基地
心の安全基地（セキュアベース）って聞いたことありますか？
ジョン・ボウルヴィというイギリスの心理学者の提唱したことですが、
「絶対守られている」という安心感だったり、
「まるごと受け入れられている」という感覚だったり、
「無条件で愛されている」という感覚のことをいいます。
心の安全基地を持っている人は
自己肯定感が高く、自分を信じることができ、
試練や困難を乗り越える勇気を持っています。
積極的で、未知の世界にチャレンジできます。
他人を信頼し、開かれた心で接することができ、
円満な人間関係を築くことができます。
不条理に攻撃されたときにはちゃんとＮＯ！と言えます。
自分がミスしたと思ったら素直に認めてそこから学びます。
自分を大切にできるし、相手のことも大切にできます。
心の安全基地は幼いとき、お母さんとのふれあいによって作られます。
お母さんにどんな感情を出しても否定されず受け止めてもらえた、
「いい子だから」「言うことよく聞くから」
という何らかの条件をつけることなしに、無条件で愛してもらえた。
自分を信じ価値ある存在として認めてもらった。
一貫性のある育てられ方をした。
・・という経験によってできてきます。
お母さんという安全基地があるから、
幼児は外の世界に好奇心をもって出て行くことができ、
怖くなったらいつでも戻って抱きしめてもらえ、
安心できたらまた外に向かっていきます。
お母さん自身が健全で安定した情緒を持ち、
家庭が円満な雰囲気だった。
などの条件が必要になると思います。
もちろんお母さんができない場合、
お父さんや他の養育者が代わりをすることができます。
でも多数の大人との関わりあいではなく、
特別な存在との１対１の関係のなかで培われていくようです。
心の安全基地は、健康であるかないか、
金銭的に裕福か困窮しているかは、影響がないようです。
両手両足のないニック・ブイチチさん、
全盲のピアニスト・辻井伸行さんなど、
体の不自由さにも関わらず超ポジティブに生きて
世界中に愛と感動を伝えている人々は、心の安全基地を
しっかり持っているのではないでしょうか。
反対に、類いまれな才能を持っていたり、
誰もがうらやむような名声を得た人、
何不自由ない暮らしをしている人でも、
心の安全基地を持てなかった人は
生きづらく、思わぬ不幸に見舞われたりします。
心の安全基地が結婚生活に与える影響
幸せな結婚生活をするうえでも、
この安全基地があるかどうかは、とても大きな
キーポイントになってきます。
心の安全基地とは、自分や人生への絶対的な肯定感というか、
自分を愛して信じる、そのベースになるものです。
心に安全基地がある人は自分との折り合いがよいので、
他人との折り合いもうまくつけることができます。
夫婦関係は、いろんな人間関係の中でも最も難しい、
最高レベルの関係ですよね。
恋愛している間はそれほど問題になりませんが、
結婚して一生のあいだ同じ屋根の下で仲良くやっていくには、
この心の安全基地がしっかりできていることが大切です。
これがぐらぐらしていると・・
相手に多くを求めすぎて、満足できないと恨みになったり、
一緒にいてもさびしさを感じたり、
うまく距離をとれないで相手に振り回されたり、
いつまでも心を開けず、深いつながりを築けなかったり・・
ささいなことにすごく傷ついてしまったり・・
気を使いすぎて時にイライラしたり突然爆発したり・・
どんなに裕福な暮らしをしていても、結婚生活に
幸福を感じることができなくなります。
心の安全基地は物心がつく前に、親から絶対に愛され、
存在そのものを認められることによって作られますが、
他の特別な存在によって作られることもできます。
非行をくりかえしていた子がすばらしい先生に出会って
生き方が変わった例、
またはレ･ミゼラブルのジャン･バルジャンのように、
神の愛に出会って人格が変わった例もあります。
親や他の存在から絶対的に愛されるという経験がなかった
としても、心の安全基地を自分で作っていくことは可能です。
特に壊れかけた夫婦関係を修復する場合には、まず
心の安全基地をしっかり作ることから始めないといけません。
基礎がぐらついていては、いくら修復のための行動をとっても、
心にものすごく無理がかかって、長続きしません。
夫婦の修復は、一方の気持ちが冷めていたり、
他の女性に心が向いてしまっている相手に向かって
愛を伝えていくのですから、本当に孤独な闘いです。
「相手が～してくれるから私も～する」というレベルの
愛情では、壊れかけた関係を修復するのは難しいのです。
Nao’s Roomでは、今起こっている夫婦の問題に対して
表面的な応急処置ではない、根本からのカウンセリングで
あなたの幸せを模索していきます。
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