1920年代、アメリカのシカゴ郊外にあるホーソン工場で、
照明などの作業条件と労働者の作業効率を分析する実験が行われました。
作業効率を高めるために、何を改善するべきかを調べるためでした。
しかし、作業条件を変えても、実験が進むにつれて作業効率はあがっていったのです。
さまざまな実験の結果わかったのは、労働者の作業意欲を高めるのは、労働条件よりも、
「周囲の人や上司の関心」だということでした。
このことから、治療を受ける人が信頼する治療者に期待されていると感じることで、
行動の変化を起こし、その結果、病気が早く回復する現象を「ホーソン効果」といいます。
人間には「他人の期待に応えたい」という本能があるのです。
スポーツの世界でも、必ず優秀な選手の背後には優秀なコーチがついています。
練習して結果を出すのは選手ですが、確かな知識と経験をもつコーチの存在が、
選手のメンタルにも大きな影響を与えて成功に導くんですね。
夫婦関係の修復についても同じことが言えると思います。
本やネットで有益な情報を得て、自分の力でがんばるのはもちろん大切です。
でも、努力がすぐに実を結ぶわけではありません。
一生懸命がんばっているのに相手が思うように反応してくれない場合、
モチベーションを維持し続けるのは大変です。
また、自分の今やっている行動が、本当に結果につながるものなのか、
自信をもてないこともあります。
そんなとき、専門の知識と経験を持つコーチやカウンセラーがそばにいると、
心が揺れないで結果が出るまで行動し続けることができます。
何よりも、自分が結果を出すことを応援してくれる人がいる、自分に期待して
くれる人がいるという事実が、思ったよりずっと大きな心の支えになります。
夫婦修復のために何か思い切った決断をしなければいけないときにも、
一人ではためらってしまうことがあります。
そのとき、そっと背中を押してくれる人がいれば、勇気をだすことができます。
私は「問題を解く鍵は、あなたの中にある」ということは信じて止みません。
本人の中にある答えをうまく引き出して、行動を促し、望む結果を出せる
ように寄り添うのはカウンセラーの仕事だと思っています。
夫婦の円満のために努力することは家庭全体の幸せにつながるだけでなく、
先祖と子孫に感謝され、宇宙も喜ぶことです。